こうした有名な陶磁器や焼き物を、「自分には手の届かない高価なもの」と思われる方もあるようですが、実はそうでもありません。普段から身近に使っている食器などの陶磁器には、比較的安価で市場に供給されている製品も多くあるのです。また「赤や」でも、こうした陶磁器を一部取り扱っています。
今回は、有田焼・美濃焼・萬古焼などの有名な焼き物を、少しでもお安く手に入れたいという方に役立つ情報をお伝えいたします。
陶磁器とは?
はじめに陶磁器について簡単にご説明しますと、広い意味では、「焼き物」(土や石を練り固めて成形・焼成した製品)全般を指します。
焼き物は、原料や焼き上げる温度などの違いによって「土器」「陶器」「炻器(せっき)」「磁器」の4種類に分類されるのですが、この中の「陶器」と「磁器」を総称して「陶磁器」と呼ぶのが一般的です。
- 土器:主な原料は粘土。釉薬をかけずに700~800度で焼成する。吸水性が高い壊れやすい。
- 陶器:主な原料は陶土(粘土)。釉薬をかけて1100~1300度で焼成する。吸水性・保温性が高い。叩くと鈍い音がする。
- 炻器:主な原料は鉄分を多く含む粘土。釉薬をかけずに1200~1300度で焼成する。陶器と磁器の中間のような特性を持つ。
- 磁器:主な原料は長石や珪石などの石粉。釉薬をかけて1300~1400度で焼成する。吸水性がなく叩くと金属のような音がする。
私たち日本人にとって、陶磁器はとても身近なものです。和食器や容器として日頃から使っているだけでなく、美術品として鑑賞することもあれば、茶道や華道においては茶器・花器としてその芸術性や精神性を表現する重要な存在にもなります。
日本の有名な焼き物
冒頭でも触れた通り、日本各地には数多くの焼き物の産地があり、異なる風土から生まれた器には独特の魅力や風合いが宿っています。ここでは、全国の産地の中から特に有名なものをピックアップして簡単にご紹介します。
美濃焼
岐阜県・東濃地方で生産されている陶磁器の総称です。国内で生産されている陶磁器の約5割のシェアを占めています。
朝鮮半島から伝えられた「須恵器」を起源としており、安土桃山時代に大きく発展しました。「特徴がないのが特徴」と言われるほど多種多様な様式・デザインが存在し、「志野」「織部」など15品目が国の伝統工芸品に指定されています。
※画像出典:美濃焼伝統産業会館
有田焼
佐賀県有田町を中心に生産されている陶磁器の一つで、日本で最初に焼かれた磁器とされています。「伊万里焼」とも呼ばれます。
きめ細やかな手触り、白く美しい磁肌と華やかな絵付けが魅力で、耐久性が高いため日用品として親しまれています。「古伊万里様式」「柿右衛門様式」「鍋島様式」という3つの様式があり、色使いや図柄に特徴があります。
※画像出典:佐賀県公式観光サイト
瀬戸焼
愛知県瀬戸市を中心に生産されている陶磁器の総称です。中世から生産が続く「日本六古窯」の一つで、日本で陶器一般を表す「せともの」はこの瀬戸焼からきているといわれています。
中国の青磁や白磁を思わせる、白く美しい素地が特徴。様々な色合いの釉薬や絵付けによる多彩なデザインも魅力です。新しい技術や文化を取り入れ多種多様な焼き物が作られています。
※画像出典:あいちの地場産業
九谷焼
石川県南部で生産されている、色鮮やかな上絵付けが特徴の陶磁器です。
「九谷五彩」と呼ばれる赤・黄・緑・紫・紺青の絵の具を厚く塗る「色絵」、表面に緑色を印象的に配色する「青手」などの技法があり、食器などの日用品だけでなく贈答品としても重宝されています。海外の愛好家からは「ジャパンクタニ」と呼ばれ、高い人気を集めています。
※画像出典:写真AC
萬古焼
三重県四日市市を中心に生産されている陶磁器です。陶器と磁器の間の性質を持つ「炻器」に分類されます。
陶土に葉長石(ペタライト)という鉱物を含み、耐熱性に優れています。この特徴を活かして土鍋や急須などの調理器具が数多く生産されており、特に土鍋の国内シェア率は8~9割を占めています。
※画像出典:三重県
良い陶磁器の選び方
普段、焼き物や陶磁器を買いに行く機会はそう多くないと思います。店頭にズラリと並んだ大小様々な焼き物を見ると、どれをどうやって選べば良いのか分からない!という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、陶磁器・焼き物を選ぶ時に押さえておきたい主なポイントをご紹介します。
実際に手に取って触ってみる
良い陶磁器を選ぶためには、これが最も重要だと思います。
特に陶磁器のような和食器は、洋食器と違い手で持って使うことが多いので、店頭で実物を手に取って大きさや重さ、手触り、持ちやすさを確認しておきましょう。
また陶磁器には、プラスチックや金属にはない質感と温かさがあります。触れてみて初めて分かる、感覚や好みもきっとありますよ。
用途やシーンに合わせて選ぶ
すてきな陶磁器が店頭にたくさん並んでいると、つい勢いで選んでしまいがちですが、あまり無計画に買うと後で置き場所に困ってしまいます。ある程度、用途やシーンを想定して選ぶのが大事です。
食器なら、大皿なのか小皿なのか、熱いものを入れるのか、汁物を入れるのか、など使い方によって選ぶ器は違ってきますし、季節感(夏なら涼しげな色や風合い、など)も考えておきたいところです。
また、小さなお子様がいるご家庭は、万一落としたりして割られても問題の少ない食器を選ばれると良いでしょう。
器の状態をチェックする
陶磁器は素材の性質上、どうしても割れや欠けなどが発生する可能性があります。お気に入りの焼き物が見つかったら、その状態をチェックしておきましょう。具体的には次のような点です。
- 器や蓋に、割れや欠け、ひびがないか。特に器の縁や高台(器の底につけられた台)の欠けに注意。
- 釉薬(陶磁器の表面を覆うガラス質の層)のはがれがないか。
- 高台に凹凸や大きなガタツキがないか(置いた時に安定しない)
- 極端な色ムラはないか(ある程度のムラは味わいにもなる)
もちろん、これらの点は「手造りゆえの味わい」と考えることもできます。使う上で支障がなければ、ことさら問題視する必要もないでしょう。
必ずしもセットでそろえる必要はない
例えば、店頭で見つけたお気に入りの器がご家族の人数分に足りない場合、「同じ色・形の器でそろえないと…」と思われるかもしれませんが、あまり気にされる必要はないと思います。
焼き物では、不揃いもむしろ味わいです。大きさがだいたい揃っていて色や雰囲気が似通ったものを選べば、それはそれで趣があり楽しめます。
赤やでは有名な陶磁器がなぜ安いの?
さて、ここまで陶磁器や焼き物についてご説明してきましたが…そろそろ皆様お感じではないでしょうか。「赤やは家具屋なのに、なんでサイトに焼き物のことつらつら書いてんの?」
意外に思われるかもしれませんが、実は「家具の赤や」では、有田焼・美濃焼・萬古焼などの陶磁器も販売しているんです!専門の陶器店や瀬戸物屋と比べると劣りますが、日用品を中心に多種多様な焼き物を、最大80%割引という非常にお求めやすい価格でご提供しております。
陶磁器にも「アウトレット品」がある
赤やで販売している陶磁器は、いわゆる「アウトレット品」と呼ばれるものです。これは、製造の過程で何らかの不具合があったために正規品としては販売できなくなった焼き物のことで、一般に正規品の2~3%がアウトレットになるといわれています。
アウトレット品になる理由としては次のようなものがあります。
・黒い点
・転写のずれ
・色がにじむ
・釉薬のムラ、ハゲ
・ピンホール(生地についた有機物などが焼成後に小さな穴となる)
実際のところ、アウトレット品の品質が正規品に比べて大きく落ちるわけではなく、普通の使用には何ら支障のないものばかり。ちょうど、家具のアウトレット品と同じようなものです。
赤やでは、こうした陶磁器のアウトレット品を独自のルートで大量入荷し、各店舗で販売しています。これができるのは、「赤や」が長年の営業で築き上げた信頼と販売実績、幅広いネットワークがあるからです。
豊富な品揃えを、ぜひ店頭でご覧ください!
「赤や」各店では、有田焼・美濃焼・萬古焼などの陶磁器・焼き物のアウトレット品を販売しています。展示の一部をご紹介いたしますのでぜひご覧ください。
様々な陶磁器を実際に手に取ってお選びいただき、あなただけのお気に入りを見つけてくださいね!