一般的なダイニングセットはテーブルとチェアのセットで販売されていて、それぞれの素材やデザインは調和するよう考えて作られています。そのため、既存のダイニングセットに別のダイニングチェアを合わせるという使い方は、普通はあまりなされません。
一方で、今お使いのダイニングチェアが「どうも座り心地が悪い」とか「壊れてしまったのでチェアだけ買い換えないといけない」あるいは「テーブルはそのままで、イメージチェンジしたい」といった理由で、ダイニングチェアの買い替えを検討されている方もあるかと思います。
そんな方々のために、ダイニングチェアを選ぶときに失敗しないために知っておきたいポイントをご紹介いたします。
座り心地の良いダイニングチェアを探す!
まず当たり前のことですが、椅子の一番の目的は座ることです。いくら高価でおしゃれなチェアでも座りやすくなければ椅子としての価値はありません。もちろんインテリアとしてのチェアの見た目も大切ですが、毎日ひんぱんに使う家具ですから、やっぱりダイニングチェアを選ぶときに最優先すべきは「座り心地」と断言できます。
「じゃあ、どんな椅子が座り心地がいいの?」という疑問が出てきますが、結論から言ってしまうと、答えは「人それぞれ」。体格も違えば心地よさを感じるポイントも皆違うわけですからね。全ての人にぴったり心地よいダイニングチェアというのは存在しないでしょう。
一人一人に合った、その人だけの「座り心地」が正解。これを前提として、ここではダイニングチェアの座り心地を決める色々な要素についてみていきたいと思います。
ダイニングチェアの素材
チェアの素材が何であるかによって、座った時の感触や、座り続けた時の体への負担が違ってくるというのは想像できるかと思います。特に座り心地に関わってくるのは、座面(お尻を置く部分)と背もたれです。
ダイニングチェアの素材には、木や合皮、ファブリック(布地)など一般的なものや、プラスチック系樹脂、スチール(金属)などが使われます。それぞれに質感や、座った時の沈み具合などが異なります。
脚と背もたれは木製で、座面に合皮のクッションが付いています。スタンダードな組み合わせで、くせのない座り心地です。
脚は木製で、背もたれの中央と座面にファブリックが使われています。布地の優しい質感がお好きな方にはおすすめです。
脚はスチール製で、背もたれと座面は集成合板で作られたチェアです。座り心地は他のチェアと比べるとやや固めです。
座面については、基本的にファブリックなどの柔らかいものが好まれるようです。
固い素材は座った時の安定感はあるものの、長時間座り続けていると腰やお尻に負担を感じるかもしれません。長く座った時の感覚というのは店頭で確かめるのが難しいので、今まで使ってこられた椅子の感覚を基準にして考えると良いかと思います。
「木が好きなんだけど、あまり固いのがちょっと…」という方はクッションなどを上手に使うと良いでしょう。「赤や」にはクッションなどの雑貨も取り揃えていますので、ぜひダイニングチェアとあわせてお選びください!
背もたれは、一概に柔らかいのが良いとは言えません。固くしっかりした背もたれを好まれる方もありますし、柔軟性のあるほうが良いという方もあります。自分はどちらが心地よいのかを把握した上でお選びください。
あと素材の違いということでは「ソファーの素材について」のページで、革とファブリックの特色について詳しく説明していますので、こちらもご参照ください。
ダイニングチェアのサイズ
椅子は小さすぎても、大きすぎても、座った時に違和感が生まれ落ち着きません。ダイニングチェアのサイズも、座り心地を決める大切な要素の一つです。
椅子のサイズと座り心地の関係については「絶対後悔しない!ダイニングセットの買い方・選び方」のページでも少し触れましたが、座面の高さが大きく影響します。
一般的には床から座面までの高さが「身長の約4分の1程度」が良いとされています。具体的には、実際に座ってみたときに足の裏がぴったり床につけられて、ひざの角度が90度になっている状態です。
また床だけでなく、テーブルの天板の高さとの差もポイントです。これはチェアの立ち座りのしやすさや、テーブル上で食事や作業をする時のやりやすさに影響してきます。これも目安があって、「テーブル高との座面との距離が27~30センチ」というのが一般的です。
一つ注意しておきたいのは、今お持ちのテーブルはそのまま使い続け、ダイニングチェアだけを新しくするという場合です。店頭でチェアの座り心地を確かめることはできますが、ご自宅と同じテーブルはありませんので、テーブルの高さは必ずお店に来る前に測っておいてください。
ちなみに一般的な商品カタログやチラシでは、座面の高さは「SH」と表記されています。例えば「SH44」とあれば、座面高さ44cmということです。
またダイニングチェアは食事のたびにテーブルから出し入れするものなので、コンパクトで動かしやすいほうが便利で、お子さんにも扱いやすいです。リビングダイニングのお掃除もやりやすくなります。
ダイニングチェアの形状
やや細かい話になりますが、ダイニングチェアの形も座り心地に影響してきます。
分かりやすいのは、背もたれの形や傾き。背中の当たる部分がカーブを描いているものもあれば、フラットのものもあります。いずれの座り心地が良いかは人によって違いますし、また「そもそも食事中は、背もたれにもたれかかることが少ない」と考える人もあるでしょう。個々の感性にしたがってお選びください。
背もたれや座面に傾斜がかかっているダイニングチェアもあります。特に座面に傾きやくぼみのあるものは、フラットな椅子に比べて、座った時の感触がかなり違う印象です。
あと形状でいうと「ひじ掛け」の付いたダイニングチェアもあります。ひじ掛けのあるほうが落ち着いて座れるという方にはおすすめです。
ただしひじ掛けの位置が高いと、テーブルに当たってしまいテーブルの中にチェアを納められないケースがあります。これも購入前にご自宅のテーブル高を確認しておき、あとで「しまった!」とならないよう注意しましょう。
またひじ掛けがあるチェアは、立ち座りがちょっとしづらいかもしれません。これは実際に座ってみてお確かめください。
デザインにこだわったダイニングチェアを探す!
ダイニングチェアは、他の家具や雑貨とともにリビングのインテリアを構成する大切な要素。その機能性はもちろん、意匠性にもこだわりたいものです。
しかし一口に「ダイニングチェアのデザイン」といっても、まさに千差万別。ちょっとネット検索しただけでも、実に多種多様なデザインのダイニングチェアが出てくると思います。その中で、「こうすれば絶対に良いものが選べます!」といった方法論はないのが正直なところです。最終的には使う方々の感性で、お気に入りを選んでいただくのが一番だと思います。
その上で、押さえておきたいポイントをいくつかご紹介します。
基本はテーブルに合わせる
当たり前ですが、ダイニングチェアはダイニングテーブルと一緒に使うものです。双方のデザインテイストが共通していると、やはり安定感があるというか、しっくりきます。
だから基本は、テーブルのデザインに合わせてチェアを選ぶのが無難。迷った時は、素材や脚の形状などが近しい同系統のデザインのチェアを選ぶようにしましょう。
チェアとテーブルのコントラストを楽しむ
上に書いたことと真逆の話になりますが…テーブルと全く違ったデザインテイストのチェアをあえて組み合わせるのも面白いです。これは若干コーディネイトのセンスが必要になりますが、うまくハマればぐっと魅力的なダイニングが生まれるでしょう。
部屋に置いた状態をイメージする
店頭で、テーブルとチェアを並べて見ていた時はいい感じのデザインだったのに、部屋に置くと、なんか違う…そんな失敗が少なくありません。インテリアは家具だけでなくお部屋の内観全体でつくるもの。そのダイニングはどんな部屋に置かれるのか、という意識を持ってデザインを選んでください。
部屋の建具(扉や窓など)のテイストと合わせにいくと、うまくいきやすいです。
大きな背もたれは要注意
デザイン性で選ぶのであれば、背もたれの大きなダイニングチェアはあまりおすすめできません。どうしてもデザインの良さよりも圧迫感が先に立ってしまうからです。もちろん大きな背もたれは体をしっかり支えてくれるというメリットがありますので、座り心地重視で選ぶのであれば良いと思います。
実際に座ってみなければ分からない!
ここまでダイニングチェアの選び方について色々述べてまいりました。いずれも予備知識としてぜひ知っておいていただきたい内容です。
しかし最終的にどのダイニングチェアが自分にマッチしているかを判断するには、実際に座ってみるしかありません。こればかりは、いくらネット上の情報を集めてきても同じです。
店頭で気になるチェアが見つかったら、まずは座ってみてください。そして座面の感触、背もたれの角度や大きさ、立ち座りのしやすさといった使用感をしっかりとご確認ください。
この時、靴は脱いでおきましょう。履いたままだと、靴の厚みがあるぶん靴なしで座った時とは微妙に座り心地が変わってくるからです。いつも使っているスリッパや部屋履きがあるなら、お店に持って行って試してもいいですね。
もちろん「赤や」でも、店内での「お試し」大歓迎!売り場のけっこう高い所に陳列しているチェアもありますので、「あれ、座ってみたい」という時はお気軽に店内スタッフにお声がけください。
ゆっくり時間をかけて、あなただけのお気に入りのダイニングチェアをぜひ「赤や」で見つけてくださいね!